平均年収や、必要スキルなど気になったので調べてみました。
プロンプトエンジニアとは?
プロンプトエンジニアとは、ChatGPTやStable Diffusionのように、テキストや画像を生成するAIに正確なプロンプトを与えることで、
適切な回答をさせるエンジニアのことです。
もちろん、ChatGPTに質問するのは誰でもできますが、
どのようなプロンプトを入れるかによって回答の精度が大幅に変わってきます。
そこで、「精度のいい=ユーザーが求めているイメージのコンテンツ」を生成させるのがプロンプトエンジニアの役割です。
プロンプト | ChatGPTなどの生成AIに、テキストで送る指示内容のこと |
必要スキルは何?
プロンプトエンジニアになるための最低限の必要スキルはこの①〜③の3つです。
それに加えて身につけておくと良いスキルは④〜⑤の2つです。
- 文章力・言語化力
- 自然言語処理の基礎知識
- AIに関する知識
- プログラミング(主にPython)
- 自然言語処理のライブラリ/フレームワークを扱うスキル
①文章力・言語化力
自分の思考・アイデアを言語化してプロンプトとして伝えるスキルです。
プロンプトエンジニアを目指す上で最も重要と言っても過言ではないです。
課題や、生成したいもののイメージを明確にし言語化して伝える事ができなければ、精度のいい回答は返ってきません。
このスキルを身につけるには、日常から読書をして語彙を増やしたり、ものの言い換えや、見た景色を言語化する練習をすると良いです。
②自然言語処理(NLP)の基礎知識
あくまで会話する相手はAIなので、AIの言語である自然言語処理への理解は深めておく必要があります。
特に、NLPにはどんなモデルやアーキテクチャが存在し、どのように利用されているかの勉強をメインで行いましょう。
自然言語処理 | 人が話す言語(自然言語)をコンピューターが理解し、それに対して何かしらの応答を出力すること。 まさにChatGPTを体現した技術のことです。 |
アーキテクチャ | モデルやシステムがどのようにデータを処理し、どのような計算を行うかを定義するフレームワークや設計図のこと |
③AIに関する知識
AIについての知識だとかなりざっくりしていますが、
AIがどのように学習し、どのように答えを導き出すのかといった知識が必要になります。
この仕組みを理解することで、
求めている情報をAIから引き出すには、どういうプロンプトを投げれば良いのかが明確にわかりやすくなります。
④プログラミングスキル
よりレベルの高いプロンプトエンジニアを目指すなら、Pythonを使ってのコードの読み書きは必須になります。
Pythonを使う箇所としては主に3つです。
・自然言語処理の実装
・PyTorchやspaCyなどのライブラリ/フレームワークの活用
・データ分析
他にもJavaやC++などのプログラミング言語も扱えるとなお良いです。
⑤自然言語処理のライブラリ/フレームワークを扱うスキル
プログラミングスキルのところでも少し書きましたが、自然言語処理に関するライブラリ/フレームワークを扱えることで、
こんなメリットがあります。
・開発コストの削減
・生産性向上
・高度な自然言語処理が可能に
自然言語処理で主に使用されるライブラリ/フレームワーク一覧
ライブラリ名 | 使用言語 | 概要 |
NLTK | Python | NLPの基本的なタスクをサポートするためのライブラリ。トークン化、ステミング、タグ付けなどの基本的な機能が豊富に含まれています。 |
spaCy | Python | 高速で産業用途向けのNLPライブラリ。多言語サポートや事前訓練済みモデルの利用が可能。 |
Stanford NLP | Java | スタンフォード大学が開発したNLPツールキット。深い構文解析や固有表現認識などの高度なタスクをサポート。 |
OpenNLP | Java | アパッチ財団が開発しているNLPライブラリ。トークン化、文分割、品詞タグ付けなどの基本的な機能を提供。 |
gensim | Python | トピックモデリングや単語埋め込み(Word2Vecなど)のタスクに特化したライブラリ。 |
TextBlob | Python | 簡単なNLPタスク(品詞タグ付け、感情分析、翻訳など)を簡単に実行できるライブラリ。 |
FastText | C++ | Facebookが開発した単語埋め込みとテキスト分類のためのライブラリ。 |
プロンプトエンジニアの求人ってあるの?
みなさんここが一番気になっているんじゃないでしょうか。
以下の3項目について調査を行いました。
- 平均年収はどれくらい?
- 実際、求人ってどれくらいあるの?
- どんな募集要項になってるの?
平均年収はどれくらい?
4つの求人サイトから平均年収を算出してみました。
ざっくりとですが、プロンプトエンジニアの平均年収は500万円〜950万円ほどでした。
求人サイト | 平均年収 |
doda | 550万円〜950万円 |
indeed | 400万円〜800万円 |
スタンバイ | 450万円〜850万円 |
求人ボックス | 600万円〜1,200万円 |
※2023年8月26日時点での求人サイトの検索結果になります。
実際、求人ってどのくらいあるの?
各求人サイトで、どのくらいの求人募集があるのかシステムエンジニアと比較してみました。
見てもらうと一目瞭然ですが、システムエンジニアのおよそ1/1000ほどの需要という事がわかりました。
求人サイト | プロンプトエンジニア求人件数 | システムエンジニア求人件数 |
doda | 6件 | 5,158件 |
indeed | 629件 (ただし8割はコード実装も求められそうな求人内容でした。) |
398,231件 |
スタンバイ | 18件 | 197,360件 |
求人ボックス | 50件 | 568,584件 |
※2023年8月26日時点での求人サイトの検索結果になります。
どんな募集要項になってるの?
各求人サイトに掲載されていた募集要項をまとめてみました。
必須スキル | 年収 | 業務内容 |
・未経験OK | 360万〜600万円 | ・AIに対して最適な出力を得るためのプロンプト設計、最適化 ・業務のニーズに合わせたプロンプトのカスタマイズ ・目的に適したプロンプトの調整と評価 |
・文章構成・読解ができる方 ・ITやAIに関する一般教養・興味を持っている方 |
350万〜650万円 | ・ChatGPTを用いたビジネス活用方法の調査と資料作成 ・適用可能なプロンプトテンプレートの作成・改善 ・最適な回答が得られるようにプロンプトテンプレートの調整・最適化” |
・プロンプトを用いた生成AIの活用経験 ・クリエイティブディレクションの能力 ・事業の企画や推進を積極的に行っていきたい |
400万〜900万円 | ・ファッション領域における生成AIを活用した新規事業立ち上げを牽引するプロンプトエンジニア |
・Python及びSQLを用いた機械学習のご経験 ・言語モデル学習のご経験 ・自然言語処理に関する研究、実務のご経験 |
948万〜1008万円 | ・AI活用サービス開発におけるプロンプトエンジニアリング ・大規模言語モデルに関連した基礎・応用研究開発および ソフトウェア開発 |
ガッツリ開発ができなくてもChatGPTなどの生成AIのプロンプト改善や設計ができれば、応募できそうなところは2~3割ほど見受けられました。
PythonやJavaを使って開発できれば、基本的な応募要件は達成しているパターンが多かったです。
プロンプトエンジニアになるためには?
まずは、この4つを重点的に行なってください。
- 言語化トレーニング
- 生成AIに触れる
- 自然言語処理の基礎
- 自然言語処理の応用
言語化トレーニング
冒頭でもお話ししたように、自分の思考やアイデアを明確に言語化できなければ、精度のいい回答や成果物を得ることはできません。
なので、日常からこの3つをできるだけ実行してください。
・毎日読書をして、語彙力や言い回しの知識を蓄える
・見たものや自分の考え、アイデアなどをできるだけ細かく言語化する練習をしてください
・本に書かれている世界を頭の中でイメージして、想像力を鍛える
生成AIに触れる
まずは実際にChatGPTや画像生成AIなどをたくさん使ってみましょう。
いまの自分の言語化力でどこまでイメージに近い成果物が得られるのか?
どういうプロンプトを入力すれば、どんな回答が得られるのかなど、時間があるときはひたすらに触ってみてください。
使っていくうちに、どんなプロンプトを入力すれば、どういう回答が得られるのか掴めてくるはずです。
自然言語処理の基礎
自然言語処理の勉強もいろいろありますが、おすすめはUdemyです!
Udemyの「基礎から学べるPythonによる自然言語処理(NLP)」が最初はおすすめです。
また本で勉強したい方は「キテレツおもしろ自然言語処理」がおすすめです。
もう少し詳しく書いてるのは「」です。
あと「BERTによる自然言語処理入門」「」もいいです。 ・GPT2・NLPプログラミング入門
自然言語処理の応用
基礎を学んだ人は、こちらの応用もチャレンジしてみてください!
Udemyだとここら辺がおすすめです。
「自然言語処理とチャットボット」
「BERTによる自然言語処理」
「AIパーフェクトマスター講座」
本だとこのあたりがおすすめです。
「実践 自然言語処理」
「機械学習エンジニアのためのTransformers」